病院の広場
分派主義と全体主義—総合病院のあり方の一つの面について
桂 重鴻
1,2
1新潟大学
2総持寺鶴見総合病院
pp.13
発行日 1966年10月1日
Published Date 1966/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202956
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やがて半世紀近くにもなろうとする昔,筆者が内科医としての教育を受け始めたころは,何ごとでも自分1人でできなければいけない,人をたよってはいけないというように教えられた。たとえば虫垂炎の患者なども,穿孔でも起こした場合は別として,できるだけ,内科医が責任を持つべきであると教えられた。虫垂炎の早期手術が主張され始めた頃のことではあったが…。
人に依存しないという心がけは限度があるにせよ,大切なことにちがいない。しかし一方,そのあたりから病院医療のセクショナリズムが芽生えたことも否めないと思う。
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