論壇
看護の場に理解を
東 綾子
1
1丹後中央病院
pp.61
発行日 1965年1月1日
Published Date 1965/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202498
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昨年の7月号の「看護婦の勤務体制」(友谷鷹雄)と10月号「第三者の論争」(山田芳一)を拝読しました。私は決して,これらの意見に反発するものではありません。同じ病院の職員の人にすら,なかなか"看護"という職業を,正しく理解されず,もどかしさにコンプレックスを感じるとき,このように関心を示してくださる人があることに,感謝せねばなりますまい。「第三者の論争」を拝読して,いささか心静かにいたしております。当時者のひとりとして,思ったままを述べてみたいと思います。
"看護"という職業を,もっとも魅力的なものにするには,いかになされるべきか。戦後,向上したといわれるけれども,看護婦のみの戦前・戦後を比較した場合であって,他産業に比して,決して向上しているとはいえないと思います。すべてにわたって,戦前・戦後には向上があるのではないでしょうか。現実の問題として,いまの社会では,どの面から押しても"看護という職業"には,魅力がありません。看護学院を卒業して,ようやく国家試験に合格してすら,転職を志す人がたくさんいるのが実情ではないでしょうか。「勤務体制を一般サラリーマン化する」ことなど夢のような話です。
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