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編集主幹ノート
吉田 幸雄
pp.96
発行日 1965年1月1日
Published Date 1965/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202506
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新年明けましておめでとうございます。昭和40年—敗戦後20年を迎えました。思えばこの20年間,復興から経済成長へとひた向きな努力が続けられてきました。その結果,経済成長も国民死亡率の減少も世界の注目をあびるものになりました。しかしこれだけの成果を上げた裏には,ずいぶんムリがあったように思います。敗戦後の刻苦勉励の惰性もいっまでも続くものではないでしょう。貧国のドン底から,今日をうるためには,ひたすら経済成長一本槍で進んできたわけですが,いろいろのユガミを生じております。
佐藤内閣になって,いよいよ社会開発というカケ声がかけられるようになりましたが,国民の経済を安定させるばかりでなく,本来の国民生活の福祉全体が調和のとれたものにするためには,形式的な制度でなく,真に文化的な生活が享受できる社会状感を作り上げなければなりません。
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