霞ガ関だより
救急医療費の考え方
T S
pp.90-91
発行日 1964年11月1日
Published Date 1964/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202467
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救急医療費の未収問題
本年4月10日,新しい救急医療制度が発足してから,早くも8か月を経過したが,まだ「救急病院等を定める厚生省令」に基づく,救急病院等の告示を終わっていない都道府県が約半数にたっしており,しかも全国医科大学のうち救急病院として告示されたのは,群馬大学ただ一校であり,また,国公立病院で告示されたものもあまり多くない現状である。
病院が,この新しい救急医療制度にあまり協力したがらない理由は,いろいろあると思われるが,その中心をなすものは,救急患者用の病床確保によって生ずる空床の問題,医師,看護婦などの職員の待機の問題をはじめ,四六時中病院を稼働状態においておくために生ずる経費の問題など,救急病院運営の本質にふれるもので,今後の制度面における改善に期待しなければならないものも少なくないが,一方,いわゆる救急医療費の未収問題のように,病院と患者の双方が,救急医療費についての基本的な考え方や,現在の各種の医療保障制度について,正しい理解をもつならば,かなり解決されるであろうと思われるものも多い。
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