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医療費について
水野 近
1
1三井健康保険組合
pp.439-444
発行日 1961年6月1日
Published Date 1961/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201809
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病院スト,一日休診保険医総辞退を背景とした日本医師会の斗争等で,医療問題は,世間の注目を浴びている。
その原因については,色々の見方があると思うが,現行の保険制度に対してさまざまな欠陥が指摘されていたのにもかかわらず,これを改善して,医師の協力を得るような態勢もつくらずに,皆医療保険に突入した政府に,最大の責任があることは,間違いない。世界的傾向である医療の社会化を認め,医療保険をよりよくすると同時に,医師も協力しやすくするため,現行保険制度の欠陥是正について,積極的な提案をしなかつた日本医師会にも責任があると思う。最も問題の多い,支払方式や審査制度の改善は,医師が提案しなくては,他にできるものはいないのに,提案もなしに,単価引上げだけで,医療費の拡大を図つてきた態度に問題があると私は考える。
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