特集 超高齢社会の終末期ケア
生涯医療費における死亡前医療費の割合
今野 広紀
1
1(財)医療経済研究・社会保健福祉協会 医療経済研究機構
pp.136-140
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100167
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近年,わが国では少子高齢化に伴い,医療保険財政は軒並み赤字が続いている.これを受け,現在,医療保険制度における負担と給付のあり方や保険医療需要の縮小へ向け,様々な改革が政治的課題として取り上げられている.特に,厚生労働省が掲げる医療費適正化政策にあって,終末期を含む後期高齢者の処遇については,今後,保険適用の可否等の厳しい環境が予想される.
しかし,そもそも医療保険加入者が生涯に支出する医療費はどの程度になるのであろうか.また,そこに含まれる死亡前の医療費とはどれほど大きなものなのであろうか.ここでは,平均的な個人の医療費支出額を,実際の保険加入者の個票データから「生涯医療費」として推計すると同時に,そこに含まれる死亡前の医療費の実態を明らかにし,終末期医療費に関する若干の私見を述べることとする.
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