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病院採算管理の課題と目標—病院採算管理論序説
石原 信吾
1
1虎の門病院事務部
pp.193-199
発行日 1961年3月1日
Published Date 1961/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201775
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I.病院の置かれたジレンマと採算管理の課題
今日程病院事情が切迫し,苦難の様相を露呈している時代はない。一体,それは何に由来するのであろうか。
今日の病院を見ると,其処には二つの課題が課されているように思われる。その一つが,「出来るだけ高度且つ広範な医療サービスの供給」という,病院の基本目的に関するものであることは言うまでもない。近来,医学の進歩は特に目覚ましいものがあるが,そうした医学の達成し獲得し得た限りのものを真に実現出来る場所は,病院を措いて他にはない。この第一の課題である人々の生命と健康を擁護し保全するという病院本来の使命が,社会的に何物にも替え難い重要性を持つものであることは多言を要しないであろう。
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