特集 税と病院
医療行為における患者の同意について—医療と法制の研究(2)
高橋 正春
1
1科学技術庁
pp.185-190
発行日 1959年3月1日
Published Date 1959/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201480
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緒言
現在,多くの医療機関においては,手術などの医療行為を施行する際に,その実施にさきだつて予め患者もしくはその保護者からいわゆる承諾(同意)書を徴しているのが,一般の慣行のよう,である。このような承諾書については,その徴取を義務づけている法令の規定もなければ,これに関する行政上の指導も行われていない。しかしながら患者の承諾(以下同意という)が,医療行為における医師の法律的立場についてきわめて重要な関係をもつものであるということは,近時,医療行為に際して,医師と患者との間に発生した民事もしくは刑事の諸問題の多くに照してみても,肯定される一事である。本稿においては,医療行為における患者の同意の意義についての大様を述べるとともに,その問題点の2,3について考察を試みるものである。
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