特集 税と病院
税と事務長
安田 幸男
1
1樋口胃腸病院
pp.203-212
発行日 1959年3月1日
Published Date 1959/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201483
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税を考える前に
税務は研究すればする程難かしく興味ある問題であり経営規模によつては専門の税理士を必要とする程重要な事項でありますが細部に亘つてはそれぞれの専門家にお願するとして事務長としては其の大綱を知り自分の病院に最適な財務構想を立てて置く必要があります。
税金は企業運営上に大きな負担を与えるものでありますが此の税金を合理的に納める事を研究する目的は余剰金を企業に蓄積せず専ら非生産的な消費部門に費消してしまう為でなく最終的には企業を安全に且つ継続して発展させる為以外のものでない事は申すまでもありません。此の様な観点から私等は税務対策を云々する前に病院経営の真の目的が何であるか更に広くは企業経営の本質が何んであるかを見極める事が必要でありその基盤の上に立つて高所から総合的対策を建てねばならないと考えます。単に目先的に税務対策を建てても決して完全なものである筈はなく場合によつては反つて経営内部の混乱を招き角をいためて牛を殺す結果になり兼ねません。
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