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あとがき
K
pp.76
発行日 1956年10月1日
Published Date 1956/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201158
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時は正に天高肥馬の候,秋晴れの下,野に山にレクリエーシヨンを楽しむと共に,読書の秋でもある。又各地にいろいろな学会が催される学問の秋でもある。月末にはアメリカ病院界の大御所クロスビー博土が来日して,東京を振出しに北海道,京阪,北九州を遍歴して,わが国の病院事情を視察し,各地で講演会,討論会が開かれる。なかなか賑やかなシーズンである。この賑やかなシーズンにふさわしく,本号の内容もかなり多彩に盛り上げることができたように思う。東大高木講師等による綜合手術室に関する研究は第6回日本病院学会での発表をふえんして頂いたものであるが,実に圧巻ともいうべく,来日へき頭にこれを見たクロスビー博士をしてこれだけのものはアメリカにも沢山はないと讃嘆せしめたものであるが,われわれの誇るべきは手術室そのものというよりは,ここに述べられた如きこの手術室ができ上るまでの全東大スタツフを挙げての協同作業の成果であり,それが保守の殿堂と目されていた東大において実現されたことに意義がある。中央検査棟と共にわが国の病院革命に果す役割は小さいものではない。
その他,岩佐氏の総医療費と国民所得の問題,宮沢,青木両氏の国立大学病院の経営分析は時節柄好箇の論文として味読に値すると思われる。
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