--------------------
あとがき
K
pp.132
発行日 1957年2月1日
Published Date 1957/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201200
- 有料閲覧
- 文献概要
近来にない暖かな「寒」であつたが,節分を越えると暦の上ばかりでなく森羅万象何とはなしに春らしい息吹きを感じさせるのも妙である。
目下国会では新しい年度の予算審議に寧日なき有様であるが,神武景気を背景とする新政府が懸案の社会保障制度,なかんずく医病保障制度の確立にどの程度の関心を示すかがわれわれの関心の的であつた。ふたをあけた際の感じでは些か失望の感がないでもなかつたが,期待が大き過ぎたせいでもあろうか。政府が予算案を編成するにあたつてどの程度民意を忖度したつもりか知らないが,一般国民の関心も社会保障制度よりは減税の方により多く向けられたことは争われない事実であろう。
Copyright © 1957, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.