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Doctors' Taperecord
pp.68-70
発行日 1956年9月1日
Published Date 1956/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201146
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半日入院
近頃,といつても昨日今日始まつたことではないが,電車の車内広告などで,○○ホテル,○○旅館の「御休憩料何百円」という文句をよく見かける。ホテルと病院は元来血縁筋だつたとかでよく引合いに出されるが,こういうサービスは病院にもあつてよいのではないかと,ふと気附いた次第。外国のホテルや帝国ホテルがこのようなサービスをしているかどうかは知らない。さかさくらげのマネをしないでもと失笑を買うかも知れないが,満更縁のない話でもなさそうに思われる。
今日,病院外来は益々繁昌の趨勢にあり,相当大きな処置が外来診療部で行われるようになつた。このこと自体の是非を論じ始めると長くなるから別の機会に譲るとして,かような事実があることは確かである。一寸した切開程度のものは診療所あたりでもやつているが,外科的小手術や眼耳鼻科の手術のあるもの,例えば扁桃腺の切除や剔出の如き,又妊娠中絶といつたものまで今日では病院の外来で行われる場合が少くない。簡単な切開などはそのまま患者を帰してしまうから問題ないとして,ものによつては1時間とか長いものは数時間,病院のどこかで患者を休ませて自宅に引きとらせる,ということをしている。このどこかで,ということが問題であつて,病室の空いているベツドを使わせている病院もあるが,多くは外来又は手術棟の一隅で休ませる,という処置をとつている病院が多いと思われる。
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