--------------------
Doctors' Taperecord
H
pp.61-62
発行日 1956年4月1日
Published Date 1956/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201091
- 有料閲覧
- 文献概要
1.カルテ
診療記録は非常に重要なものであるにも拘わらず,この記載や取扱上で,なかなか問題が絶えないらしい。医師側から見ると,臨床上の仕事を進めるために大切なこの記録は,事務所側に云わせると社会保険等の料金請求上疎略には出来ないと云う。楯の両面に大切なことが書いてある重要書類は,このように診療説録だと云える。処が,この記録を,兎角に医師が面倒がつて詳細のことを書かない。そこで問題が起る。
先ず日本の話から………某地方病院の事務員はこう云つて悩んでいた。時に,社会保険の事務所から監査を受けるが,その時,偶々診療記録に記入洩れの診療行為あれば,仮令それが看護日誌に確実に記入されていても,水増し請求だと云われて,支払が受けられない。支払う側の立場になると,斯くやかましく云いたくなるだろう。医師は技術家であるから,料金のことには興味がなかろうが,医療技術に関する記録だけは正確につける習慣を身につけてほしいものだ。然らざれば,一介の職人に堕してしまう。
Copyright © 1956, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.