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ライ患者の軽快退所(2)
森 幹郞
1
1邑久光明園
pp.17-20
発行日 1956年6月1日
Published Date 1956/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201108
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3.新しき前進のために
—ライ療養所分化,再編成への私案—
当園への見学者を一通り案内し終ると,全然冗談だとしても「いい所ですね,いれてもらいたいくらいですよ」と言う人が案外多い。それほど今日のライ療養所は少く共外面的には整つて来た。今日の医療社会事業,もつと広く社会事業の全分野を見渡しても,最も恵まれた条件の下にあると言つていいだろう。過剰給与,保障過剰と言う人さえある。
当園の例を見ると(昭和29年度中)患者1人1日当の賄費は105円25銭。之に医療費,被服費,燃料費,光熱水道料,日用品費を加えると1人1日当の経費は175円48銭である。勿論之は人件費を含んでいないから,人件費も入れれば相当の金額である。勿論病人だから一般健康人と比較すること自体誤りであるが,被生活保護家庭が1人1月3,000円前後であることを思えば,今日の日本にあつては過剰給与と言えるのかもしれない。
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