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病院の経営管理と原価計算(2)
石原 信吾
1
1病院管理研修所
pp.11-15
発行日 1956年6月1日
Published Date 1956/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201107
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われわれは前号で,先ず,病院の経営管理は極めて難しいこと,それは,病院が種々の理由で事業体として甚しく複雑な内容と機構を持つている為にこれを把握統制することが難しいということと,更にその上そうした病院に経済性乃至採算性の要請が加わつて一層難しさに拍車をかけているからであるということ,そして,そうした事態に対処する有力な武器として,厚価計算が現在大きくクローズアツプされるようになつて来たということを述べた。そして更に,管理用具としての原価計算の活用を考える為に必要な前提として,管理の目的物である病院の在り方と,その在り方に従つて病院にも直接管理及び間接管理の二面が存在するということを確めると共に,進んで,誰がその管理の直接の実施責任者であるかに従つて其処に全体管理と各部管理の二つの段階が考えられるということを見て来た。
そこで本号では,それに続く問題として,それでは管理用具としての原価計算は,その機能乃至性能に従つて,そうした管理のどの面でどの様に活用されるべきであるかという問題から考察に入つて行くことにする。
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