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Doctors' Taperecord
pp.89
発行日 1955年8月1日
Published Date 1955/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200994
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ビールの酵母をもつたい振つた名称で発売して巨万の富を得た人もあつたが,大衆に訴えるには,すべて呼び名が大切だ。ドツク入りという名称は確かにうけた。コクテールパーテーに集つた社長たちが『帆柱を立ててドツクに入ろうや』などとやる。こんな流行語ができたのですかね。国立東京第一病院の坂口院長が名づけ親だが,この名称は確かにうまくいつた。
日頃,健康に疑念をもち,多少不安を感じた人,現在の活動をいつまでも続けたい慾望の強い人がドツクに入るのだが,検査してみると,無傷の人は稀で何かみつかる。治療するに早期どころか,もう遅い病変を発見することもある。大抵は治療を始めるのに丁度よい時期である。将来の医療はこの線に沿うて進むべきものだと,つくづく感ずる。
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