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「チャート」の整理—中央病歴室の設置
安富 徹
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1京都国立病院外科
pp.9-12
発行日 1953年4月1日
Published Date 1953/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200623
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患者が退院した後の診療記録(チャート)をどう整理するか……と云う問題は仲々大事なことであるのに案外放置されているのではないでしようか。なるほど中央病歴室と云うものが観念的には頭の中にあつても,どういうように具体化するかという段になると仲々手が進まないと思います。
大てい,各科或は病舎別に,月別とか年度別にとじこんで「見出し」でもつけてあれば上出来の方で,ひどいのはてんでばらばら,医局の棚の上にほこりにまみれていたり,誰かの机の引出しの中に眠つているのがあるかと思うと材料倉庫などに投げこまれ,そのうち体温表と本文とが泣き分れたり……が実情ではないでしようか。きちんと整本してあれば,ぬきとりも出来ますまいが,ただ綴りこんだだけですと,統計や再入院或は症例報告でもしようとしてその綴りこみをさがすときまつたようにその目指すチャートはぬきとられている……と云う「うき目」に会つた御経験は少くあるまいと思います。
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