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ある汚物燒却爐
庄村 英四郞
1
1国立岡山病院庶務課
pp.6-8
発行日 1953年4月1日
Published Date 1953/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200622
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病院や療養所の汚物焼却炉と言うものはむずかしいもので,仲々思うように燃えてくれない事は既に多数の方が充分経験ずみの事と考えるが,理由は至つて簡単で,汚物と言つてもいささか広く塵とか紙くず丈ならいざ知らず果物の皮あり残飯あり,脱脂綿からガーゼ,更に困つた事には喀痰胎盤はおろか切り離された肉体の一片まで飛びこんで来る事もあつて,吾々の言う汚物とは決してなまやさしいものではないからである。然も重油をふきつけて焼くとか燃料として石炭でもふんだんに使うのであつたら話は亦別だが,ボイラー用燃料すら石炭を薪に乗り替えて,四苦八苦やり操らねばならない食乏病院では到底望むべくもないそこで極力補助燃料を使わず,非常に湿度の高い之等汚物共を処分する名案はないものかと,方々の焼却状況を見学もし問合せもしてみたが,成る程之ならばと思うようなものもなければ,推薦出来るから是非之にしなさいと言つてくれる所もなかつた。
汚物焼却炉の在り方としては今更申上げるまでもなく,次のようなものでありたい事は御承知の通りである。
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