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編集後記
編者
pp.54
発行日 1952年5月1日
Published Date 1952/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200490
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櫻花と共に學會シーズンを送つて,はや青葉若葉の緑の季節を迎える。萬物青々,ビロードの如き5月は,生命の息吹きが劇しい。特に今年は,待望の講和が成立し,獨立の祝典もこの期間に於て催されるという。再建日本の將來が,この季節に於ける草木の如く生々溌溂たるものとなることは,國民の齎しく望む處であろう。吾々病院人にとつても一つの慶びに堪えないことは,宿望の病院管理學講座が遂に我が國に於ても實現したことである。全國大學にさきがけて,東北大學醫學部では今年度の新講座として,本講座を發足せしめることになつた。幸いこの講座新設に盡力された篠田附屬病院長より御抱負を伺うことができたが,本誌では社説を掲げ,心からその誕生を祝すると共に,その順調な成長を祈つて止まない。何分にも我が國最初のテストケースであるので,吾吾病院人の温い,理解ある支持と應援が必要であろうと思う。
本號は,時節柄というか,大分多彩な編集となつた。目下病院として問題になつている諸々の問題がズラリ面を並べた感がする。國立病院の地方移譲問題を含め,地方醫療體制の整備問題が具體的に検討されている今日,齋藤部長による「岩手縣の醫療公營」は他山の石として參考になると思われる。
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