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編集後記
編者
pp.50
発行日 1950年1月1日
Published Date 1950/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200082
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明けましてお目出度うございます。愈々1950年を迎えることになりました。20世紀も途に半ばに達しました。前半世紀は石炭の時代を脱皮して,ガソリンの時代でした。これからの後半世紀はガソリンから原子力の時代に向つて行くのではないでせうか。そして,この後半世紀には,物質文明の大きな革命が生来するでせう。科学は,精神の問題を全く消化し盡さなければ,人類は破滅のるつぼにあえがなければならぬかも知れません。生命学である医学は,従つて,物質と精神の綜合科学としての本質的課題を解決しなければならぬ重責を負うことになり,医人は一層神に近づかなかればならぬでせう。病院はメヂカル,センター即生命のセンターとなるでせう。
××一般に,文化の進んだ国は,整つた病院と学校の存在を誇りとします。平和な町,生命を尊重する国は,医療問題に非常に熱心です。世の中から病の苦悩を全くなくしてしまうことは不可能でせう。然しお互がもう少し努力したならば,病める人々が,安心して,気持ちよく病と闘えるようになる筈で,すれば必ず出来る問題が,未だ未だ沢山にあります——特に日本では,
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