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編集後記
編者
pp.54
発行日 1952年4月1日
Published Date 1952/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200478
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陽春4月,櫻花爛漫とその妍競う,1年中で最も晴れやかな季節がやつて來た。それと時を同じうして,過去1ヵ年の精進のあとを示す各學界の幕が各地で切つて落される。昨年,東京で未曾有の盛會振りを示した日本醫學會が,今年は北は北海道から南は九州に至る各地で,華やかに開催されようとしている。丁度1年前の本誌では,日本醫學會總會を機とし論説を掲げて病院管理學會の提唱を行つた。その結果として,澎湃として湧き起つた同志の熱意が,日本病院協會の設立を契機として,日本病院學會の創立を齎らし,6月25日第1回日本病院學會の開催に成功せしめた。本學會は未だ日本醫學會には加入していないが,日本病院協會の一事業としてその第一歩を踏み出し,今年も同じく6月に第2回を開催すべく目下着々準備が進められている。何れ近くその具體的計畫の發表があると思われるが,廣く病院人の御參加を希望して止まない。
時恰も,我が國再建の秋に當面している。病院管理は,何度も云われる如く終戰後俄かにスポツトライトを浴びて大きくクローズアツプされた問題だが,今日迄の處は所謂飜譯時代の軌を脱していない。併し,終戰後大きく急轉廻した我が國の社會制度は,我が醫界に限らず凡ての面に亘つて多かれ少かれ飜譯時代と云つて過言でない樣に思われる。教育制度然り,警察制度然り,地方自治制度然りetc。そして今日,獨立を機として凡ての制度が,我が國情,習慣に照して再検討の時期に逢着している。
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