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編集後記
編者
pp.48
発行日 1951年12月1日
Published Date 1951/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200418
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講和成立の日も間近いと思われ,被占領國としての最後の年もやがて暮れんとしている。占領下とは云い乍ら,本年の後半は多分に自立的色彩の濃いものであつた。我が國の病院問題もやつと自主的に歩み出した感が深いが,徒らにあせることなく一歩々々確實な地歩を礎いて行く心構えが必要であろう。ローマは1日にして成らず,の譬えもある。更に3年の猶豫をうけられた48時間制限の問題にしても,要は斯かる法律的制約を不要とする樣に,病院を普及せしめることであり民衆に眞の病院の在り方を充分認識せしめることに他ならない。
本年の收穫の第一は,何と云つても全國病院協會の結集成つた日本病院協會の發足であり,次いで第1回病院學會の開催であつた。學會とは云つても眞に學會の體裁を整える爲には,尚若干の年月を必要とするであろうが,この樣な集まりが關係者の間に持たれるということ自體,非常に意義深いことと思われるので今後の發展に期待する次第である。何れ講和成立の曉には,國際病院連合との結び付が豫想される。これは來るべき新年に對する一つの期待としておいてよいであろう。
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