--------------------
編集後記
編者
pp.48
発行日 1951年10月1日
Published Date 1951/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200396
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
○今日は,はしなくも世界史に新たな一頁を加えた講和會議調印の日,我が國が新生日本としてやつと獨り立ちを國際間に認められた日である。終戰直後の,あの混亂の坩堝にあつた當時を顧みると,今日あるのがまるで夢の樣な氣がする。併し,これからが又なかなか大變で日本國民は新たな義務と期待の重荷を負わされた訳である。終戰後の日本は,政治上,社會上餘りに多くのものを與えられて而も充分消化し切れず,未だに消化不良の状態にあるものも尠しとしない。これらのものが講和を契機として目下再檢討を加えられつゝある現況である。病院管理の問題も曾ては與えられたテーマであつだが,病院人の覺醒によつて僅か23年のうちにめざましい進展を示して來た。これにはいろいろ理由もあるであろうが,我が國の病院界に於て既に機が熟していたとも云えるのではあるまいか。魚が水を得たように活溌な活動が始まつたと見てよいのではなかろうか。今や吾々は,病院協會をもち,病院管理の研修所をもち,更に順調な歩みを續ける專門誌をもつている。とすれば,既に必要な素地はでき上り,今後はこれを如何に育てゝ行くか,という問題丈である。國際への復歸が通つた今日,前途に尚幾多の艱難が横わるとは云え,吾々は折角のこの芽を大切に守り育てゝ行き度いものである。
○前號に續く尾村委員のアメリカ見聞記は愈々佳境に入り,修飾せられざる米國の實態就中病院療養所の生の姿を知ることができた。これにより読者各位は,自ら顧みて或いは安心をし,或いは反省の資として役立つことと思います。
Copyright © 1951, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.