連載 世界病院史探訪・6
15世紀に創設されたフランス・ボーヌのオテル・デュー
石田 純郎
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1医療法人慈生会 介護老人保健施設くつろぎ苑
pp.679-680
発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102603
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オテル・デュー(Hotel-Dieu)はフランス語で,「神の家」「市民病院」を意味する.1443年にブルゴーニュの公爵Nicolas Rolinにより創設されたボーヌ(Beaune)のオテル・デュー(無休,冬季は昼食時休館あり)は,現在,病院博物館として公開されている.ボーヌのあるブルゴーニュ地方は美味しいワインを産する地域として有名で,土地の領主がこのオテル・デューに広大な葡萄畑を寄進し,その畑から獲れる葡萄をワインに醸造し,病院の経費に充てた.オテル・デューの外観は,修道院そのものである.
観光客も多数訪れ,受付には日本語のオーディオも準備されている.入口から長方形の中庭に入るが,石が敷き詰められ,敷地の一角に,井戸がある.修道院病院の中庭には,花が植えられ,芝が敷き詰められていることが多い.この点がボーヌのオテル・デューの特徴である.
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