特集 病院と学生教育―地域で育てる医療人
大学における医療職教育のあり方
木内 祐二
1
1昭和大学薬学部 薬学教育学
キーワード:
医療職教育
,
モデル・コア・カリキュラム
,
多職種連携教育
,
PBLチュートリアル
,
臨床実習
Keyword:
医療職教育
,
モデル・コア・カリキュラム
,
多職種連携教育
,
PBLチュートリアル
,
臨床実習
pp.606-611
発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102322
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■医療職教育の改革の流れ
日本の医療職教育は,ここ10年間,大きな変革を経験した.従来から指摘されていた,知識(暗記)偏重,不十分な技能・態度(医療倫理,コミュニケーションなど)教育とその評価,講座別の硬直化した講義,基礎と臨床教育の乖離,見学中心の臨床実習といった問題点を改善するため,医学部,歯学部では2001年,薬学部では2002~2003年にモデル・コア・カリキュラムが公開され,標準化された医療職教育の改革が進められた.
全大学のカリキュラムの60~70%はモデル・コア・カリキュラムに基づく標準化した内容とし,一般目標,到達目標という形で学習目標を明記している.講座別のカリキュラムから,臓器別学習や基礎と臨床を組み合わせるなどの系統別の項目立てとなり,特に医療職としての基本的な技能・態度を確実に修得することを目的に,参加型の臨床実習(クリニカル・クラークシップ)を拡充した.また,5年次の臨床実習の前に,CBT(Computer-Based Testing),OSCE(Objective Structured Clinical Examination:客観的臨床能力試験)からなる共用試験で,参加型実習を実施するうえで必要な基本的知識,技能,態度の修得を確認する評価を行うようになった.
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