Japanese
English
特集 リハビリテーション医学教育の新しいうねり
医学教育モデル・コア・カリキュラム
Model core curriculum for medical education.
佐藤 達夫
1
Tatsuo Sato
1
1東京医科歯科大学大学院機能解剖学
1Unit of Functional Anatomy, Tokyo Medical and Dental University Graduate School
キーワード:
医学教育
,
モデル・コア・カリキュラム
,
共用試験
Keyword:
医学教育
,
モデル・コア・カリキュラム
,
共用試験
pp.397-402
発行日 2002年5月10日
Published Date 2002/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109756
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
モデル・コア・カリキュラムの必要性について
平成7年の3月31日,日本解剖学会100周年総会の折に「近代解剖教育記念」と題した特殊切手が発行された.そのデザインに選ばれた前田青邨の「腑分け」には,1754年に山脇東洋が公許を得て行ったわが国初めての人体解剖が描かれている.東洋は5年後の1759年に所見をまとめて『蔵志』を出版し,中国伝来の五臓六腑説が実物と著しく異なることを指摘している.
一方,西欧ではすでに1543年にヴェサリウスが『人体構造論』(ファブリカ)を出版して近世医学の礎石を置き,1761年にはモルガーニが『解剖所見による病気の座と原因について』を出して病理解剖学をうち立てたことを考えれば,日本の医学は200年のハンディを背負っていたことになる.明治以後,このハンディを取り戻し,すみやかに西欧医学・医療に追いつくためには,多数の医学生に効率的な教育を施す必要があり,体系的な知識伝授型の教育が主流とならざるを得ず,これは当然のことながら記憶偏重を招き,患者指向の教育には程遠しの感が強かったのである.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.