特集 病院のセキュリティ
巻頭言
神野 正博
1
1社会医療法人財団董仙会 恵寿総合病院
pp.517
発行日 2012年7月1日
Published Date 2012/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102299
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地域に開かれた病院には多くの患者,その家族,そして見舞い客が訪れる.不特定多数が来院するといってもいいかもしれない.一方,患者の医療情報はきわめてナイーブな個人情報である.病名や予後ばかりではなく,受診や入院の事実そのものが秘匿するべき情報となることもある.
病院は,地域住民から安心と同時に信頼を勝ち得なくてはならないことはいうまでもない.多くの病院管理者はセキュリティの確保を社会的責任として腐心する.そこで,総論として,情報セキュリティ大学院大学の林教授には「組織的セキュリティ」や「物理的セキュリティ」を包含した“「情報処理システム」としての病院”について執筆していただいた.そのうえで,設備としての保安管理,入退室管理はもとより,犯罪を防止する抑止的設備に関する最近の知見を設計・建築の立場から千葉大学の中山教授,そして現場を守る施設管理の立場から聖路加国際病院の小室マネジャーに執筆していただいた.
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