特集 病院と家庭医療
巻頭言
神野 正博
1
1特別医療法人財団董仙会恵寿総合病院
pp.869
発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101296
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1985年6月,時の厚生省は「家庭医に関する懇談会」(座長:小泉明東京大学教授)を設置し,1987年9月には報告書を出版し,総合的な医療を提供する家庭医を専門的な分野として位置付けようとした.しかし,様々な理由で日の目を見ることはなかった.また,1986∴年に家庭医療学研究会が発足するものの,それもなかなか大きな発展は見られなかったという.
筆者は,日本病院会で新規に発行する冊子「勤務医のために」の執筆打ち合わせのため,同会の当時の担当理事であった西村昭男理事長(現・社会医療法人社団カレスサッポロ理事長)が経営する室蘭の日鋼記念病院を1999年に訪れた.そして,たまたま西村理事長の配慮により,同院家庭医療学センターで家庭医療というものに始めて触れ,本特集の執筆者の1人,当時のセンター長であった葛西龍樹氏と初めてお会いした.新しい医療への情熱に触れ,鮮烈なイメージだった.
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