特集 看護師の役割を今問い直す
巻頭言
神野 正博
1
1特別医療法人財団董仙会恵寿総合病院
pp.293
発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101156
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医療ばかりではなく,介護や福祉にいたるまで,人材難は逼迫している.少子高齢化の社会情勢の下で,全国的な医師不足,看護師不足は社会問題化し,介護職不足もまた社会問題化しつつある.この人材難を解決していくための方策の1つとして,各々の職種の本来業務・コアミッション(Core Mission)を問い直し,責任という動機の付与と業務の分担の推進が挙げられるのではないだろうか.
すなわち,看護師の役割という視点からすれば,第一に医師が従来担っていた業務を受け取る,あるいは協働する役割がある.患者への説明と同意の取得や,疾病に関わる教育・指導など,看護師が持つ医療知識を存分に発揮することで,医師の過重を軽減させる役割である.また,第二に,従来看護師が行ってきた役割を,看護師の本来業務とは何かをもう一度見直すことで,他の医療職に移譲していくことが重要であろう.協働していくべき職種としては,事務職(文書管理・医療事務・コンピュータ入力・診療材料管理など),介護職のほかに,薬剤師,臨床検査技師,臨床工学技師,リハビリテーションに関わる療法士など多岐に渉ると思われる.
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