特集 派遣は人材確保に役立つか
巻頭言
神野 正博
pp.965
発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102031
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病院における医師の人材確保をめぐる状況に大きな変化が芽生えてきた.一つには,2004年4月から施行された医師の卒後臨床研修必修化である.これによって,従来の大学医局への新卒医師の供給が最低2 年間ストップし,大学医局へ医師の供給を頼ってきた地域医療を担う地方の病院から「引き剥がし」とも呼ばれる医師の引き揚げが始まっているのである.
二つ目の変化として,医師への労働基準法の適用である.当然医師も労働者であり,適用されるべき職種であるものの,従来医師不足という暗黙の了解の下,全面適用が躊躇されていたといってよい状況であった.しかし,過労死問題や旧国立大学の独立行政法人化に伴う公務員の一般労働法規準拠への見直しなどを通してクローズアップされてきているのである.これによって,相対的な医師不足が明るみになってきたのである.
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