特集 亜急性医療は存在し得るか
巻頭言
猪口 雄二
pp.981
発行日 2003年12月1日
Published Date 2003/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102021
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平成15(2003)年9 月は,日本の入院医療制度改革の「幕開け」といえる.同年8月末までに,全病院の病床は「一般病床」か「療養病床」に病床区分の届出を行った.医療法の分類によれば,「療養病床」は「長期にわたり療養を必要とする患者を入院させるための病床」であり,「一般病床」は「精神病床・結核病床・感染症病床・療養病床以外の病床」となっている.
それでは「一般病床」の取り扱う疾患は「急性期医療」だけかというと,そのようなことはない.疾患には(特に高齢者においては),併存症・合併症が多く存在しており,急性期対応だけでは治癒もしくは日常生活可能な状況での退院とはならないことは周知の事実である.その典型は回復期リハビリテーションとなろうが,その他にも神経難病への対応,在宅医療への移行準備期間,悪性腫瘍など病状の増悪期への対応など,様々な病状が存在する.
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