特集 人材不足をどう打開するか
巻頭言
猪口 雄二
1
1寿康会病院
pp.485
発行日 2008年6月1日
Published Date 2008/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101202
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日本の20年後はどうなっているのだろうか.若年人口は減り続け,人員不足のため,電気・自動車などの生産業は国内における生産性を下げ,主たる生産拠点は,現状以上に国外に移ってしまうことが予想される.また,教育産業では,特に大学や専門学校の定員割れが起き,淘汰が加速するであろう.
さて,医療・介護の世界はどうなっているのだろう.看護師・介護士不足は現在でも日本全体に存在する.そこに有病率が高く,介護を要する高齢者が倍増するのだから,現場の疲弊は火を見るより明らかである.特に介護士は若年層に敬遠されがちで,人材豊富な介護の現場など想像すらできない.また,医師の科別偏在も現在より進むと考えられ,救急・外科・産科・小児科などの医師はますます減ってしまう.
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