特集 介護保険施設と医療のあり方
巻頭言
猪口 雄二
1
1医療法人財団寿康会寿康会病院
pp.109
発行日 2007年2月1日
Published Date 2007/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100497
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平成18年診療報酬・介護報酬同時改定において,診療報酬は3.16%という史上最大の下げ幅が決定された.それに付随して,医療療養病床の介護保健施設への移行を目的にした奇異な報酬が設定され,介護療養病床は平成23年度末で廃止することを国会が決定した.医療,特に慢性期医療の関係者にとっては,まさに激動の一年であった.
同時に現時点では,介護保険施設のあり方が議論されている.療養病床が減少し,転換老健が増えると想像される今後,介護保険施設はどのように整備されていくのだろうか.病院でありながら介護報酬で運営されている介護療養型医療施設,老人保健法で規定されている介護老人保健施設,社会福祉法人の事業である介護老人福祉施設,さらに急増する特定施設など,異なる規準で介護保険施設は運営されている.そして医療提供のあり方,特に急性疾患発生時や看取りの対する対応は,まったく異なっている.
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