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医療提供体制の改革のビジョン
厚生労働省では,本年4月に「医療提供体制の改革のビジョン案」を公表した.より質の高い効率的な医療サービスを提供するための医療提供体制の改革を推進するに当たっては,医療提供体制の将来像について国民的な合意を得ていくことが重要であることから,昨年3月に設置された厚生労働大臣を本部長とする「医療制度改革推進本部」の下に「医療提供体制の改革に関する検討チーム」(主査:医政局長)を設置して検討を行い,同年8月に「医療提供体制の改革の基本的方向」(中間まとめ)を公表したところである.ビジョン案は,その後も,様々な検討会等において,それぞれの課題について検討を進めるとともに,有識者や関係団体からのヒアリングの実施も含めて国民各層の幅広いご意見をいただきながら,さらに検討を進め,取りまとめに至った(その後,国会審議等を経て,本年8月には,「医療提供体制の改革のビジョン」として,関連する検討会等の資料とまとめて公表されているので,以下,単に「ビジョン」とする).
ビジョンでは,今後の医療提供体制の改革は,「患者と医療人との信頼関係の下に,患者が健康に対する自覚を高め,医療への参加意識をもつとともに,予防から治療までのニーズに応じた医療サービスが提供される患者本位の医療を確立する」ことを基本として進めるべきとして,「患者の視点の尊重」,「質が高く効率的な医療の提供」,「医療の基盤整備」の三つの視点に沿って,各分野で改革を推進するものとし,法令改正による措置のみならず,公的補助,公的融資,税制による支援,診療報酬等による経済的評価,関係団体との共同した取り組みなどを組み合わせて総合的に推進していくとされている.
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