特集 本格到来するDPC時代
DPCと臨床指標
池田 俊也
1
1国際医療福祉大学 大学院 医療福祉学研究科 医療経営管理分野
キーワード:
DPC
,
臨床指標
,
質評価
Keyword:
DPC
,
臨床指標
,
質評価
pp.686-690
発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101772
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
■臨床指標とは
医療の質の定量的な評価への関心が各国において高まってきており,医療の質を「プロセス(過程)」や「アウトカム(成果)」の側面から定量的に評価するための道具として臨床指標の開発・導入が進んでいる.
プロセスの指標は,診療ガイドライン等で推奨されている,エビデンスの確立した診療項目を指標として定め,患者に提供されるべきベストプラクティスと,実際に提供された医療との乖離を測定するのが一般的である.このほか,特定の手術や処置等の実施率も過剰実施(overuse)や過少実施(underuse)を評価するための指標としても用いられることがある.
一方,アウトカムの指標としては,臨床的アウトカムとして院内死亡率,再入院率などのほか,合併症発生率といった避けるべきアウトカム,さらには患者満足度やQOL(Quality of Life)等の患者報告アウトカム(Patient Reported Outcome, PRO)や,在院日数・コスト等の経済的アウトカムなど,多種多様な指標が用いられる.なお,臨床的アウトカムに影響を与えると考えられる施設要因(ストラクチャー・構造)や取り扱い症例数についても,臨床指標に含める場合がある.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.