特集 本格到来するDPC時代
DPCデータから見える医療機関の地域での役割と機能分化のあり方
伏見 清秀
1
1東京医科歯科大学大学院 医療政策学講座 医療情報システム学分野
キーワード:
診断群分類
,
患者調査
,
医療計画
,
医療提供体制
,
患者マーケティング
Keyword:
診断群分類
,
患者調査
,
医療計画
,
医療提供体制
,
患者マーケティング
pp.681-685
発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101771
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平成22年度のDPC診療報酬改定では,調整係数から新たな機能評価係数への置き換えが始まり,医療機関の機能に応じた医療資源配分の方向性が示されている.この機能評価係数の1つに,各医療機関の地域での役割を評価する地域医療への貢献に関する項目が含まれ,急性期医療を地域の医療提供体制に密接に関連づけて評価する方向性が示されている.近年の,第5次以降の地域保健医療計画では,住民が身近に活用できる医療提供プランの提示が求められているが,DPC診療報酬においても医療計画に沿った形で医療機関の機能の評価を進めていく動きが始まったとみることができる.
平成22年8月より,医療計画の4疾病5事業に対応して,脳卒中,がん,救急,災害医療,へき地医療,周産期医療などに貢献している医療機関には地域医療指数として一定の評価が加わることとなっている.今回導入される評価の視点は限定的であり,地域医療への貢献を広く評価するものにはなっていないが,今後の医療計画では,個別医療機関の地域での役割が明示される方向にあるので,DPCにおける地域医療の評価もそれを勘案したものになるであろう.各医療機関では,今回示された地域医療指数を獲得することを目標とするのではなく,地域医療にどのように貢献できるのかを自己評価し,地域における役割を高めていくことが重要である.
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