連載 鉄郎おじさんの町から病院や医療を見つめたら…・34
―技術・技能以前の課題雑感(1)―いのちのスープを胃ろうから入れたら
鉄郎
1
1NPO法人アットホームホスピス
pp.558-559
発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101740
- 有料閲覧
- 文献概要
最近増えているのが「胃ろう」に関する講演会である.僕は関西在住で他の地域は知らないが,頻繁にその種のチラシや案内メールが届く.高齢者の増加に伴うものだろうが,それらは主に専門職対象だ.しかし,一般市民も参加OKで,胃ろう患者家族の参加も多い.市民の関心も高い証拠だが,大半はやはり訪問看護師やケアマネジャー,そして栄養士であって,比率で考えれば,市民の関心はまだまだ低い.
だから,機会があるごとに「胃ろう」や「嚥下」の講演会への参加を仲間に促すが,みんなキョトンとする.その理由に,「漢字が読めない」がある.チラシの多くが「胃瘻」「嚥下」と書かれていて,読みがわからない.僕はマイクロソフトの「Office Word2003」を使っているが,自動ルビ(ふりがな)機能を使えば胃瘻は「いせむし」,嚥下は「つばめした」とルビがつく.一般のワープロソフトでは読めない専門用語なのである.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.