昨日の患者
亡き夫への自慢話
中川 国利
1
1宮城県赤十字血液センター
pp.1248
発行日 2014年10月20日
Published Date 2014/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407105231
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- 文献概要
30年近くも同じ病院に勤めていると,馴染みの患者さんができる.そして患者さんを介して,家族の絆や人生観をも垣間見ることになる.
Gさんの夫は,私が病院に勤めはじめた頃に受け持ったスキルス胃癌患者さんであった.30歳代後半で,既に癌性腹膜炎をきたしており,胃全摘術のみを行った.そしてGさんの手厚い介護にもかかわらず,半年ほどで亡くなった.残されたGさんは,三人の幼子を抱えながらも家業のクリーニング屋を引継ぎ,女腕一つで生活を支えた.
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