連載 病院管理フォーラム
■医療安全:Try Top Management First!・4
臨床研修における医療安全教育の課題と展望―トップマネジメントの支援
石川 雅彦
1
1日本医療安全研究所
pp.590-592
発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101494
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医療安全推進と医療の質向上は医療機関における最優先課題である.この一環として,卒前教育における医療安全教育の充実は必須であり1,2),卒後臨床研修における医療安全教育も含めた検討が求められている.「研修医に対する安全管理体制について」は,国立大学医学部附属病院長会議の提言が示されている3).日本医療機能評価機構の集計では,インシデント・アクシデント事例の当事者として,部署配属年数1年以内の医療者が最も多いことが指摘されている4).研修医が当事者となるインシデント・アクシデント事例の発生も少なくないと考えられることから,卒前のみならず,卒後臨床研修における医療安全教育の充実も極めて重要な課題である.
平成16年度より開始された新医師臨床研修の到達目標における行動目標には,医療人として必要な基本姿勢・態度として安全管理が挙げられており,1)医療を行う際の安全確認の考え方を理解し,実施できる,2)医療事故防止及び事故後の対処について,マニュアルなどに沿って行動できる,3)院内感染対策(Standard Precautionを含む)を理解し,実施できる,の3点が明記されており,現行の臨床研修カリキュラムの中で,どのように実施していくかについての検討が求められる.
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