レポート【投稿】
公立病院経営改革の経験から―全適は医療の公共性と経済性の両立に最適
齋藤 貴生
1
1大分県立病院9階 大分県病院事業管理者室
キーワード:
公立病院
,
経営改革
,
全部適用
,
独立行政法人
Keyword:
公立病院
,
経営改革
,
全部適用
,
独立行政法人
pp.231-235
発行日 2009年3月1日
Published Date 2009/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101407
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要旨 一部適用および全部適用の同規模類似公立病院に,それぞれほぼ同様の方法で経営改革を行い,全適化の経営改革に及ぼす実際の効果を検証した.①全適の病院では,一部適用の病院で困難であった経営管理体制の改革の目標をおおむね達成するとともに,それ以外の医療・経営全般の改革の目標も,一部適用の病院より迅速に達成した.それに伴い,収支均衡を一部適用の病院よりも早期に達成できた.②全適化の実際の効果は,法律上予測される効果よりはるかに大きかった.法律上の個別条項による効果は経営管理体制の改革に限定的であったが,病院事業管理者の設置による効果が医療・経営の改革全般に及び,かつ大きいことがその理由と考えられた.以上より,公立病院改革を行ううえで,全適は,現時点では医療の経済性と公共性を両立できる最適の経営形態であると思われる.
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