特集 新たな医療計画の展開
新たな医療計画の展開
大道 久
1
1日本大学医学部 社会医学系 医療管理学分野
pp.774-777
発行日 2008年9月1日
Published Date 2008/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101274
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運用開始となった新制度
先の医療法改正で導入された新たな医療計画は,本年4月から実施に移っている.実施直後であり,新制度の運用の方向を全体的に捉えるにはなお時間が必要であるが,各県の医療計画自体は出揃っている.本稿では,新たな医療計画制度の策定の過程で経験された問題点を取りまとめるとともに,同制度の今後の展開が病院の管理・運営にどのような影響を及ぼすのかを探っておきたい.
今回の医療法改正における医療計画の趣旨と理念については,「医療提供体制の確保に関する基本方針」1)として示されている.それによれば,医療機能の分化・連携の推進を通じて,良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制を確保して国民の医療に対する安心と信頼の確保を目指すものであることが改めて謳われ,医療の受け手の視点に立って患者・国民が主体的に医療に参加してゆく仕組みづくりをすることの意義が強調されるとともに,がん,脳卒中,急性心筋梗塞,糖尿病の4疾病,および救急医療,災害医療,へき地医療,周産期医療,小児医療(小児救急医療を含む)の5事業に対応した切れ目のない連携体制の構築を図るとされている.
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