連載 医療ソーシャルワーカーの働きを検証する・20
HIV/AIDSとソーシャルワーク―地域連携によるチーム医療
塚本 弥生
1
1広島市立広島市民病院総合相談室
pp.66-70
発行日 2008年1月1日
Published Date 2008/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101102
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
当院総合相談室は1993年から広島県周辺地域のHIV(human immunodeficiency virus)感染患者への社会生活支援を行うため,地域のセルフヘルプグループやMSWが配置されていない病院と連携してきた.当時大多数の診療は血友病を診ていた大学病院や国立病院で行われていたが,ほとんどの病院でMSWが不在だった.1997年に広島大学病院,広島市民病院,県立広島病院が中国四国地方ブロック拠点病院に指定されてからは医師,看護師,臨床心理士,MSW,薬剤師による医療チームが編成され,病院や地域を越えた広範な連携が行われるようになった.これまでのHIV感染症患者の生活支援は生活保障に伴う権利擁護が中心になっているが,スティグマ化された状況はまだ解消されておらず,今後も社会的バリアフリーを目標にHIVソーシャルワークの実践が求められている.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.