グラフ
家庭的な温もりのなか最高の医術を 受け継がれてゆく創立の精神―財団法人 倉敷中央病院
pp.805-808
発行日 2007年10月1日
Published Date 2007/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101025
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家庭的な温もりと最高の医術
大正12(1923)年6月創立.創立者である倉敷紡績社長の大原孫三郎氏は,「(患者の)治療本位」「病院くさくない明るい病院」「東洋一の理想的な病院」という3つの設計理念を打ち出した.赤瓦に白い壁,緑の温室をもつ当院の開院を,当時の中国民報は「病院の芸術化―別荘かホテルの如く病院に在るの感なし」と紹介している.
孫三郎氏は,孤児院設立運営に生涯を捧げた石井十次氏に多大な影響を受けた.「社会から得た財はすべて社会に還す」を信念に,大原社会問題研究所,大原農業研究所,倉敷労働科学研究所など,数多くの社会的事業を興し,そのいずれもが名前や形を変えつつも現在まで受け継がれている.そして社会問題解決の基礎は健康にあるという考えと,流行性感冒が蔓延した際の地域医療の不備をみかねて「家庭的な温もりのなか最高の医術を一般に提供する病院」を目指して当院を開設した.
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