特集 技術革新と競争激化―特定保険医療材料の今後
保険医療材料の区分と価格決定のプロセス
佐方 信夫
1
1厚生労働省保険局医療課
pp.634-636
発行日 2007年8月1日
Published Date 2007/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100988
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
医療機器・材料の区分と価格設定については,医療機器・材料の業界において重要性の高い関心事項として,かねてより様々な研究や調査,具体的な提言がなされてきている.そのような中,最近では個別の病院による試みのみならず,医療団体・病院団体も限られた医療費の中で,質を確保しつつ効率的な医療を提供するという努力のもと,医療機器・材料の価格設定,とりわけ内外価格差(日本における特定保険医療材料の償還価格と諸外国における販売価格との差)の問題に体系的に取り組む姿勢がみられている.
医療保険においては,医療機器は大きく3つのカテゴリーに分類される.1つ目は,ガーゼや縫合糸などのように,いずれかの診療報酬項目において包括的に評価されているものである.これらは医療保険の実務上では「A1」(包括)と呼ばれており,様々な診療の場に使用されるものであることから,これらの使用が想定される診療報酬のそれぞれの項目において,包括的に評価がされている.次が「A2」(特定包括)と呼ばれるもので,特定の診療報酬項目において包括的に評価されているものである.これらは医療機器自体の価格を公定するのではなく,当該医療機器を使用する医療行為の診療報酬上の評価を通じて,特定の技術料に包括して評価されるものであり,それぞれの検査料において診療報酬上評価されている内視鏡やCT,MRIなどが該当する.そして最後の「B」(個別評価)が,特定保険医療材料として材料価格が個別(機能区分ごとに)に設定され評価されているもの(例:ペースメーカー,人工関節)である.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.