短期特別連載 苦情対応システムの実際とその評価―臨床現場の事例から(最終回)
第4回 現場スタッフの葛藤および苦情対応システムの10の重要ポイント
佐伯 みか
1
,
八巻 知香子
2
,
小澤 恵美子
3
Mika Saeki
1
,
Chikako Yamaki
2
,
Emiko Ozawa
3
1財団法人東京都医療保健協会練馬総合病院質保障室
2国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所
3東京大学大学院医学系研究科
pp.594-599
発行日 2004年7月1日
Published Date 2004/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100854
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本連載第1回は,「意見活用システム」の意義・構造を詳述し,2・3回は,その聴取機能と改善機能に関する調査結果を述べた.最終回である本稿は,現場の第一線で実際に苦情対応にあたるスタッフを対象に行った調査の結果を紹介し,最後に,連載のまとめとして苦情対応システムの10の重要ポイントを述べたい.
◆職員に伝えられる苦情と職員の対応に関する調査
問題を感じた時に,投書するよりも現場の職員に直接伝える患者のほうが多いことは第2回で述べた.直接伝えられた苦情は,投書以上に即座の対応を求められることが多いため,スタッフには瞬時の適切な判断力・行動力が要求される.
「(患者さんは)事務職には言いやすいんだと思います.自分は何もしていないのに,他の職種の問題について怒られることはしょっちゅうあります」,「何度謝っても,長時間怒り続ける患者さんがいると,“本人(苦情の該当者)が謝ってよー” と思う.」(事務職の回答より)
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