連載 病院管理フォーラム
看護管理=病院のDON・33
喫煙と看護管理
小山 秀夫
1
1国立保健医療科学院経営科学部
pp.764-765
発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100683
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受動喫煙防止措置
完全禁煙の病院が多くなってきた.少なくとも分煙は,病院の常識になろうとしている.一昔前は「病気の治療を行う場所で,病気の原因になる喫煙が自由なのはおかしい」という程度であったが,当時のアメリカで「喫煙可能」な病院は,筆者の知る限り皆無であった.病院の裏口に灰皿が設置されているが,建物内に煙を入れてはならないと注意されたことを覚えている.レストランは,喫煙できる場所が限られていたり,喫煙できるテーブルは場所が悪いのが当たり前で,ホテルでも「禁煙室」と「喫煙室」があり,もし「禁煙室」で喫煙したら「市条例により罰金を科す」という案内板を見たこともある.いかにもアメリカらしいと思ったものである.
これに引き替え,わが国では,どこでも自由にたばこが吸えることが当たり前で,なんらかの制限が始まったのは,ここ10年であろう.今では,航空機のすべて,私鉄や,特定の地域・場所が禁煙に指定され,「喫煙者」には肩身の狭い時代だ.ただ,人の健康に悪影響を与えるといわれると,反論できない.
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