特集 デフレ下における病院
サービス企業におけるデフレ対応
阿部 剛
1
1株式会社シティサーブドットネット
pp.94-99
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100553
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デフレとは何か?
「デフレ」とはなんだろうか?
一般には,物価が持続的に下落する現象を指す経済用語である.
政府は2001年3月に「日本経済は緩やかなデフレにある」と正式にデフレ状況にあることは認定している.
昨年平均の全国の消費者物価指数は前年比で0.7%下落し,戦後初めての3年連続のマイナスとなった.
最近ではオーストラリアやカナダが物価下落の経験を持つが,1年程度で歯止めがかかっている.わが国の状況はこれと比べるべくもない,より深刻なものとなっている.
現在の国内の物価下落は,需要不足や低価格の輸入品の流入,海外における技術革新などが原因とされる.デフレは,消費者にとっては購買力の増加につながるが,現状のように長期化すれば企業収益の減少や所得低迷,実質的な債務の負担増を招くこととなる.
今,わが国では,物価下落と景気悪化が連鎖的に進むデフレスパイラルに陥る懸念も強まっている.
デフレスパイラル(図1)とは,
①需要不足で物価が下落.
②企業の生産縮小や収益悪化.
③雇用・所得環境が悪化.
④家計部門の悪化で物価がいっそう下落.
以下①~④の繰り返しというように,悪循環を繰り返しながら不況がより深刻化する現象を示す言葉である.
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