特集 看護フォーカス'94
[新春対談・3]企業が看護サービスを売り出した!—その厳しさと可能性
井部 俊子
1
,
田中 重實
2
1聖路加国際病院
2セコム株式会社取締役MS事業部
pp.30-35
発行日 1994年1月1日
Published Date 1994/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904442
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評価に耐えうる看護を提供する
井部 これからの看護管理のあり方というのは,企業精神という方向で組織の姿勢を持たなければならない,と言われてきていることです.手順よりも目的を重んずるとか,消費者中心であるというようなことが企業精神だと紹介されています.今日はその企業精神を重んじていらっしゃる企業の方をお迎えいたしまして,管理のあり方について,また看護の未来指向の話をしたいと思っております.
「サービスというのはお客さまと共同で生産する商品である」という言葉があります.私たち看護婦は,常に看護サービスという商品を作り出しては売っているわけで,そのお客さまと出会う瞬間瞬間が非常に大切であると考えることができると思います.働く1人ひとりが品質とか経済性を決める,特にサービスビジネスというのは,生産と消費が同時に発生するという意味では,ほかの生産活動よりもマネージメントが重要ではないかと思っています.そこで企業としては,特にセコムでは,私たち看護婦と同じように「看護」というサービスを売り始めているわけですけれども,その商品というのはどういうふうに企画されてきているのでしょうか.
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