特集 介護保険施設と医療のあり方
療養病床再編成と地域ケア整備構想(仮称)
榎本 健太郎
1
1厚生労働省老健局地域ケア
pp.110-114
発行日 2007年2月1日
Published Date 2007/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100481
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療養病床再編成を巡って
療養病床の再編成については,医療サービスの必要性の高い者,低い者の分布に着目し,必要性が高い方に対応するものとして引き続き医療保険適用の療養病床を存続させる一方,必要性が低い方が入院する療養病床に関しては,時間をかけて介護施設などへの転換を進めることとしているが,平成18年の医療構造改革に当たり一つの柱として打ち出されて以来,関係者の間で様々な議論をいただいている.
いずれにしても,この問題は30年来の大きな課題であり,地域の様々な関係者の調整も必要であることから,ある程度時間をかけて整理していかなければならないものと考えている.転換しようにも地域の介護施設の整備「枠」に空きがない,老健施設等は既に満床で受け皿がない,先行きが見通せないといったご意見を頂戴するが,厚生労働省としてもできるだけ円滑に進めたいと考えているところであり,今後の地域における道行きを示し得るものとして現在検討を進めているのが地域ケア整備構想(仮称)である.本稿ではその考え方をご紹介し,今後の議論に資することとしたい.
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