連載 医療ソーシャルワーカーの働きを検証する・4
院長からみたMSW
早川 哲夫
1
1国家公務員共済組合連合会名城病院
pp.761
発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100380
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●急性期病院における医療ソーシャルワーカー(MSW)の活用
病院における MSW の役割を簡潔に一語で表現すれば,スポーツチームや職場におけるユーティリティプレーヤーであり,各種の催し物におけるコーディネーターといえるであろう.上手に活用すれば,ピンチをしのげるだけでなく,日常の仕事にもゆとりと気配りができるようになると思う.人間関係に円滑さの欠けた現在の日本社会において,病院機能を十二分に発揮させるには欠くことのできない職種である.
当院における MSW の主要な業務の 1 つである退院支援業務を中心に,その働きを検証してみたい.2004 年度は 222 人に退院支援をしている.入院から退院支援依頼までの期間は,入院から 1 週間以内の依頼が 4 割弱,半数以上は 2 週間以内の依頼である.前年度に比べ依頼までの期間は 9 日早くなった.退院支援者の平均入院期間も前年度より 12 日減少した.退院支援の依頼が早くなれば入院期間も短縮される.その結果,平均在院日数の短縮,病床稼動の効率化が期待できる.
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